そろそろいいだろう~シン・ゴジラは日本の政治をリセットする<ネタバレあり>
シン・ゴジラ 公開週に見ました。
この映画の解釈は多々あると思いますが、私見を述べます。
この一言に尽きます。
・最初、政府は、たいしたことはない。すぐに封じ込めると思っていた。
・ゴジラは、自己進化を遂げていくが、無知な攻撃がさらにゴジラを加速していく
・ゴジラとの戦いの裏側でさりげなく描かれている放射能との戦い。
実は、ゴジラが破壊する都市は、あまり問題視されていない。さらにゴジラを停止されるために自衛隊は平気で市街地でどんぱちするし、しまいにはビルを破壊して停止させた。それよりも放射能によって東京が死の街と化すことに恐怖を感じさせる
・ゴジラを凍結させるために、特殊ポンプ車が使われる。あきらかに福島原発の注水シーンのオマージュ
・そして結末は、石化したゴジラと共存しなければならない東京の復興。福島のように、蓋をしてというわけにはいかないでしょう。これからどうなるのだろうかと想像を掻き立てます。
・最後にゴジラの尻尾に見えるシルエット。私には広島、長崎の被爆者に見えました。
ゴジラの登場によって、政府が、日米関係がリセットされていきます。
最初は、各省の縦割り構造と、各大臣の答弁がこっけいに描かれていきます。
官僚のリコメンドどおりに指示をだす首相と大臣。そこにはリーダーシップは見えません。しまいには、米国はゴジラ退治に核兵器を使うときめるのだが、あっさり容認。
なにか他の対策がないのかとは叫ばない。竹之内豊 演じる首相補佐官が「日本が復興するためには、世界を巻き込んで同情をかわないとだめだ」とそれを支持する。
それが政治だと。。日本の政治家の発想、選択肢の幅の狭さを見せつけてくれます。
それに対峙するがごとく各省の変わり者のような集団が、対策チームをつくっていく。
そして前者の首脳陣はゴジラビームであっさり死亡。(竹之内は、先に移動していてセーフ)
それでも、現場は悲壮感もなく、淡々と動いていく。そうか、日本は官僚が動かしていて、大臣がだれになろうと関係ないわけか。。
そして、結局、東京をゴジラから救うのは、その合同チームとフランスに頭を下げるハト派的な代理総理。米国ではなかった。
最後の部分の台詞で、「日本には復興のための新しい政府が必要」と強調します。
などなど。。
庵野ゴジラはいろいろな問題をてんこ盛りにして提示をしてくれてます。
何度もかみ締めることのできるすばらしい映画だと思います。
そして鑑賞後、思ったことは、ゴジラは現実には目の前に現れないだろうけども、もし福島が暴走してしまっていたら、東京はどうなっていただろうと薄ら寒い思いがしました。
このようなことが、二度と現実の起こらないことを祈ります。
なぜなら、われわれは50基ものゴジラを日本中に抱えているのだから。。。
今日のアーチストは、鷺巣 詩郎さん
もうこの曲はエヴァにしか聞こえない。放射能ビームのときにつかわれたBGMです。
予告編とともにどうぞ!